動画編集用のメモリ容量で迷ったら、まず32GBを基準に考えるのが現実的です。16GBはフルHD中心の軽い編集、32GBは一般的な4K編集、64GBは4KマルチカムやRAW、長尺、After EffectsやFusionを併用する重い制作に向いています。
ただし、「4Kだから64GB」のように解像度だけで決めるのは早計です。必要量は、素材の本数やコーデック、タイムラインの長さ、エフェクト量、同時に開くソフトによって変わります。また、メモリを増やせば必ず書き出しが速くなるわけではありません。CPU、GPU、ストレージが先に限界へ達している場合は、そちらの見直しが必要です。
動画編集用メモリは迷ったら32GBを基準にする
現在の公式要件を見ると、Adobe Premiereは推奨メモリをHDメディアで16GB、4K以上で32GB以上としています。After Effectsも同様に、HDで16GB、4K以上で32GB以上を推奨しています。
この基準からも、16GBは「編集ソフトを使える容量」、32GBは「4Kを含む動画編集で余裕を確保しやすい容量」と考えると分かりやすいです。64GBは全員に必要な標準容量ではなく、32GBでは作業が止まりやすい人や、複数の高負荷処理を同時に進める人のための選択肢です。
容量ごとの目安は次のとおりです。
| メモリ容量 | 向いている編集 | 不足しやすい条件 |
|---|---|---|
| 16GB | フルHD、短い動画、単一カメラ、軽い字幕・BGM追加 | 4K常用、素材多数、複数ソフトの同時起動 |
| 32GB | 一般的な4K、複数トラック、カラー調整、画像編集との併用 | 4Kマルチカム、RAW、重い合成、長尺 |
| 64GB | 4Kマルチカム、6K・8K、RAW、複雑な合成、制作ソフトの併用 | 軽い編集だけでは容量を使い切らず、費用対効果が下がる |
迷っている段階で新しいパソコンや増設メモリを選ぶなら、32GBが最も外しにくい容量です。将来64GBへ増設できるデスクトップなら、最初は32GBで始め、実際の使用状況を見て増やす方法もあります。
本文内図解|この記事の全体像
メモリは16GB・32GB・64GBどれが必要 まとめ図解
動画編集のメモリは16GB・32GB・64GBどれが必要?
どんな対象?
- ●メモリは16GB・32GB・64GBどれが必要
判断ポイント
- ✓タイムラインに並べる映像・音声トラック数
- ✓マルチカムで同時に扱うカメラ台数
- ✓ノイズ除去、手ぶれ補正、カラー調整、AI機能の使用量
- ✓After EffectsやFusionなど合成機能の併用
見落としやすい点
- !ただし、「4Kだから64GB」のように解像度だけで決めるのは早計です
- !すでに16GBのパソコンを使っていて大きな不満がないなら、急いで交換する必要はありません
- !ただし、これから4Kへ移行する、編集時間を長くする、複数ソフトを使う予定があるなら、32GBへの増設可否を確認しておくと安心です
- !ただし、32GBならどの4K編集も快適とは限りません
先に結論:メモリは16GB・32GB・64GBどれが必要について、本文で確認する順番と判断材料を一画面で整理します。
本文を読む順番
- 1動画編集用メモリは迷ったら32GBを基準にする
- 216GBで足りるのはフルHD中心の軽い編集
- 332GBは4K編集と普段使いを両立しやすい
- 464GBが必要なのは重い工程を重ねる人
- 5解像度より素材数・エフェクト・同時使用ソフトを見る
この記事固有の確認リスト
- →動画編集用メモリは迷ったら32GBを基準にする
- →16GBで足りるのはフルHD中心の軽い編集
- →32GBは4K編集と普段使いを両立しやすい
- →64GBが必要なのは重い工程を重ねる人
- →解像度より素材数・エフェクト・同時使用ソフトを見る
- →タイムラインに並べる映像・音声トラック数
16GBで足りるのはフルHD中心の軽い編集
16GBでも動画編集はできます。フルHDの短いYouTube動画やSNS動画を、カットして字幕とBGMを加える程度なら、必ずしも32GB以上が必要とは限りません。素材が少なく、編集ソフト以外のアプリを閉じられる人にも向いています。
たとえば、1本のカメラで撮影した10分前後の動画を編集し、簡単な色調整やトランジションを加える使い方です。4K素材でも、プロキシを作って負荷を下げれば編集できる場合があります。
一方で、16GBは余裕が少ないため、ブラウザのタブを多数開いたまま編集したり、Photoshopや音声編集ソフトを同時に使ったりすると不足しやすくなります。メモリが足りなくなると、プレビューが止まる、アプリの切り替えが遅い、操作を待たされるといった症状が出ます。空き容量を補うためにSSDへデータを退避する状態が続けば、編集全体の反応も鈍くなります。
すでに16GBのパソコンを使っていて大きな不満がないなら、急いで交換する必要はありません。ただし、これから4Kへ移行する、編集時間を長くする、複数ソフトを使う予定があるなら、32GBへの増設可否を確認しておくと安心です。
32GBは4K編集と普段使いを両立しやすい
32GBは、趣味の動画編集から副業レベルまで幅広く対応しやすい容量です。一般的な4K素材、複数の映像・音声トラック、テロップ、カラー調整を扱いながら、ブラウザや画像編集ソフトも開きやすくなります。
16GBから32GBへ増やしたときに期待できるのは、書き出し速度の単純な倍増ではありません。主な利点は、素材やキャッシュを保持できる余裕が増え、アプリを閉じたり待ったりする場面を減らしやすいことです。編集途中で参考サイトを確認し、サムネイルを作り、音声を調整するような作業では、この余裕が効きます。
ただし、32GBならどの4K編集も快適とは限りません。複数台の4K映像を同時表示するマルチカム、高ビットレートやRAW素材、強いノイズ除去、複雑なモーショングラフィックスでは、32GBでも使用量が上限に近づくことがあります。
そのため、4Kという言葉だけで決めず、「素材を何本並べるか」「どの程度加工するか」「ほかのソフトを何個開くか」を確認してください。これらが一般的な範囲なら32GB、重い条件が重なるなら64GBが候補です。
64GBが必要なのは重い工程を重ねる人
64GBが必要になりやすいのは、高解像度の素材を扱うだけでなく、負荷の高い工程を同時に重ねる人です。具体的には、4Kマルチカム、6K・8K、RAW、長尺プロジェクト、大量の素材、複雑なカラー処理や合成が該当します。
PremiereとAfter Effectsを行き来する人、DaVinci ResolveでFusionを多用する人、Photoshopやブラウザ、音声編集ソフトまで同時に起動する人も、64GBの余裕を生かしやすいでしょう。After Effectsは利用可能なRAMを活用する設計で、Adobeも複数アプリを同時に使う場合は16GBを基準としつつ、マルチコア環境ではコア当たりのメモリ量にも言及しています。
一方、フルHDのカット編集や軽い4K編集が中心なら、64GBへ増やしても違いを感じにくいことがあります。メモリ使用量が32GBを超えていなければ、余った容量は処理速度へ直接変換されません。
64GBを選ぶ前には、現在のメモリ使用量だけでなく、プレビュー停止、キャッシュ待ち、アプリの強制終了、SSDへの頻繁な退避が起きているかを確認してください。32GB環境で実際に不足が発生しているなら、64GBへの増設には明確な理由があります。
解像度より素材数・エフェクト・同時使用ソフトを見る
必要なメモリ容量を左右するのは、解像度だけではありません。同じ4Kでも、圧縮率の高い素材を1本扱う場合と、RAW素材を複数本並べる場合では負荷が異なります。
特に確認したいのは、次の5点です。
- タイムラインに並べる映像・音声トラック数
- マルチカムで同時に扱うカメラ台数
- ノイズ除去、手ぶれ補正、カラー調整、AI機能の使用量
- After EffectsやFusionなど合成機能の併用
- ブラウザ、画像編集、音声編集など同時起動するソフト
プロキシ編集を使えば、16GBや32GBでも高解像度素材を扱いやすくできます。ただし、プロキシの作成時間や管理が増えるため、仕事で頻繁に使う場合は、メモリを増やして手順を減らす方が合うこともあります。
また、動作が重い原因をすべてメモリ不足と決めつけないことも重要です。書き出し時のCPU使用率やGPU使用率が常に高い、素材を置いたストレージが遅い、GPUメモリが不足している場合は、システムメモリだけ増やしても改善が限定的です。
購入前は容量より先に対応規格を確認する
必要量が決まっても、パソコンに合わないメモリは使えません。デスクトップ用のDIMMとノートPC用のSO-DIMMは形状が異なり、DDR4とDDR5にも互換性がありません。
購入前には、現在の搭載容量、DDR規格、空きスロット、最大搭載容量、対応速度を確認してください。32GBなら16GBを2枚、64GBなら32GBを2枚というように、同一キットでそろえると構成を判断しやすくなります。別々に購入したメモリや異なる仕様の混在は、動作速度や安定性に影響する場合があります。
ノートPCは、メモリが基板へ固定され、購入後に交換できない機種があります。Macの統合メモリも、一般的なWindowsデスクトップの交換式メモリとは構造が異なります。数字だけを横並びにせず、使う編集ソフト、チップ、外部ディスプレイ、将来の用途まで含めて選ぶ必要があります。
メモリ速度やXMP・EXPOは、容量と規格を決めた後の比較項目です。動画編集では、必要容量を減らして極端に高速なメモリを選ぶより、まず不足しない容量を確保した方が失敗を避けやすいでしょう。対応速度や設定の安定性はパソコンごとに異なるため、メーカーの仕様表も確認してください。
自分に必要な容量を最終判断する
フルHD中心で、短い動画を軽く編集するなら16GBでも対応できます。ただし、増設できないパソコンを新しく買う場合は、将来の4K編集を考えて32GBを選ぶ方が安全です。
一般的な4K編集、複数トラック、カラー調整、画像編集やブラウザとの併用なら32GBが第一候補です。容量選びで迷っている人にも、価格と余裕のバランスを取りやすい選択です。
4Kマルチカム、RAW、6K・8K、長尺、重いエフェクト、After EffectsやFusionとの併用が日常的なら64GBを検討してください。現在32GBで不足症状が出ている人にも向いています。
最後に確認するのは、容量だけではありません。DDR4かDDR5か、DIMMかSO-DIMMか、何枚まで搭載できるか、最大容量はいくつかを調べてから、対応するメモリを比較してください。価格や在庫、対応表は変わるため、購入時点のメーカー仕様と販売情報を照合することが誤購入防止につながります。

