JBLが満を持して投入したオープンイヤー型ワイヤレスイヤホンのフラッグシップモデル「JBL Sense Pro」は、従来の「ながら聴き」デバイスの常識を根底から覆すスペックを誇ります。市場には安価なオープンイヤー型が溢れていますが、本機は直販価格24,200円(税込)という強気な価格設定に見合う、圧倒的な技術が投入されています。
最大の衝撃は、オープンイヤー型でありながら「ハイレゾワイヤレス(LDAC)」に対応したことです。これまでの開放型イヤホンは、構造上どうしても低域がスカスカになりやすく、音質よりも利便性が優先されてきました。しかし、JBL Sense Proは「音質を犠牲にしない開放感」を具現化しています。
JBL Sense Proがオープンイヤー型イヤホンの「最適解」と言える理由
オープンイヤー市場へのJBLの本気度
JBLはこれまで「Tour Pro 2」などのカナル型で市場を席巻してきましたが、このSense Proでは独自の「OpenSoundテクノロジー」をさらに進化させました。単に耳の横でスピーカーを鳴らすのではなく、音の指向性を極限まで高めることで、耳を塞がないことによる解放感と、プライベートなリスニング空間を両立させています。
前モデルや競合機と比較して際立つ「3つの進化ポイント」
- LDAC対応による情報量の増大: 従来のSBC/AACに加え、最大990kbpsの伝送が可能なLDACに対応。20Hz〜40kHzの広帯域再生をサポートします。
- 空間サウンドの標準搭載: JBL独自のアルゴリズムにより、YouTubeやNetflixなどのコンテンツを映画館のような立体音響で楽しめます。
- 装着のカスタマイズ性: 4段階の角度調整が可能なイヤーフックと、スポーツ用の着脱式ネックバンドの同梱により、あらゆる耳の形状と使用シーンに適合します。
究極のパーソナライズを実現する外観デザインと装着感
JBL Sense Proを手にして最初に驚くのは、そのビルドクオリティの高さです。フラッグシップにふさわしい、しっとりとしたマットな質感は、ビジネスシーンでも違和感なく溶け込みます。
可動式イヤーフックの恩恵
多くのオープンイヤー型が抱える「耳の形によって音が遠くなる」という問題を、JBLは物理的な可動機構で解決しました。イヤーフックの付け根部分が4段階でカチカチと動き、スピーカー部分を耳穴に対して最適な位置に固定できます。これにより、耳の厚みや形に左右されず、常にベストな音圧を得ることが可能です。
着脱式ネックバンドの活用シーン
パッケージには、左右のユニットを繋ぐ「ネックバンド」が同梱されています。これは単なるおまけではなく、本格的なスポーツ用としての配慮です。
* デスクワーク: 単体で使用し、耳への圧迫感を最小限に。
* ランニング・ジム: ネックバンドを装着し、不意の脱落を物理的に防止。
* 移動中: ネックバンドがあれば、耳から外して首にかけておくことも可能です。
スペックで見る装着感とサイズ
| 項目 | スペック詳細 | 備考 |
|---|---|---|
| イヤホン単体重量 | 約13.1g (片耳) | 長時間装着しても負担が少ない軽量設計 |
| 充電ケース重量 | 約69.5g | やや大きめだが平べったく持ち運びやすい |
| 防水防塵規格 | IP54 | 雨天時のランニングや汗をかくワークアウトもOK |
| カラー展開 | 全5色(ブラック/ホワイト/グレージュ等) | シーンに合わせて選べる多彩なラインナップ |
新色の「グレージュ」は肌馴染みが良く、イヤホンを目立たせたくないビジネスパーソンに特におすすめのカラーです。
オープンイヤーの弱点を克服した「JBLサウンド」の正体
「オープンイヤーは音が軽い」という先入観は、JBL Sense Proを一聴した瞬間に崩れ去ります。その秘密は、心臓部であるドライバーユニットにあります。
16.2mmダイナミックドライバーの威力
本機には、このクラス最大級となる16.2mmの大型ダイナミックドライバーが搭載されています。大口径ドライバーが空気を大きく振動させることで、開放型では物理的に難しいとされる「深みのある低音」を再現。ベースのラインやドラムのアタック感が、耳元にしっかりと届きます。
ハイレゾワイヤレス(LDAC)対応の恩恵
LDACに対応したAndroidデバイスやDAP(デジタルオーディオプレーヤー)と接続すれば、従来の約3倍の情報量を伝送できます。
* 高域の伸び: シンバルの消え際や、バイオリンの倍音成分が非常にクリアです。
* 解像度: 楽器の配置が明確になり、音が重なり合っても一つひとつの音が分離して聞こえます。
JBL空間サウンド(Spatial Sound)体験
専用アプリから「ムービー」「ミュージック」「ゲーム」の3モードを選択できる空間サウンドは、まさに「耳元に自分だけのスピーカーを配置した」ような感覚を与えてくれます。特に映画視聴時には、音が前後左右から回り込むような感覚があり、オープンイヤーの特性である「外の音の広がり」と相まって、驚くほど自然な立体感を生み出します。
【検証】気になる「音漏れ」と「外音取り込み」のバランス
オープンイヤー型を検討する際、最も懸念されるのが「音漏れ」です。JBL Sense Proは、独自の「OpenSoundテクノロジー」によってこの問題を極限まで抑え込んでいます。
OpenSoundテクノロジーの仕組み
これは、スピーカーから出る音に対して、逆位相の波形を発生させることで、外側に漏れ出る音を打ち消す技術です。ノイズキャンセリングの仕組みを「音を漏らさないため」に応用したもので、これにより「自分にはしっかり聞こえるが、周囲には聞こえない」という魔法のような体験を実現しています。
音量別・シーン別音漏れ検証結果
| 測定シーン | 音量 30% (BGM程度) | 音量 50% (標準) | 音量 70% (大音量) |
|---|---|---|---|
| 静かな図書館 (30dB) | 50cm離れても無音 | 30cmで微かに聞こえる | 隣の人に曲が判別される |
| カフェ・オフィス (50dB) | 全く聞こえない | 全く聞こえない | 50cm以内なら微かに漏れる |
| 電車内 (80dB) | 騒音に消される | 周囲には一切届かない | 周囲には一切届かない |
検証の結果、音量50%程度であれば、隣に座っている人にもほとんど気づかれないレベルです。静かなオフィスでの使用も、標準的な音量なら全く問題ありません。
ビジネス・日常使いで輝く多機能スペック
JBL Sense Proは、音楽鑑賞だけでなく「道具」としての完成度も非常に高いのが特徴です。
4マイクによる高品質通話
左右それぞれに2基、計4基のビームフォーミングマイクを搭載しています。これにより、風切り音や周囲の雑音を抑制し、自分の声だけをクリアに相手に届けます。
* 検証例: 交通量の多い道路沿いで通話テストを行った際、相手側には車の走行音がほとんど聞こえず、こちらの声がはっきりと聞き取れるとの評価を得ました。
マルチポイント接続の利便性
最大2台のデバイスに同時接続が可能です。
* 活用術: PCでWeb会議に参加しながら、スマホの着信を待機。会議が終われば、スマホで音楽を流すだけで自動的に切り替わります。Bluetoothの設定画面を毎回開くストレスから解放されます。
バッテリー性能と充電
| 項目 | スペック |
|---|---|
| イヤホン単体再生 | 最大約6時間 (LDAC/空間サウンドON時は短縮) |
| ケース込み合計再生 | 最大約24時間 |
| 急速充電 | 15分の充電で約4時間の再生が可能 |
長時間の移動や、1日中のデスクワークでも、こまめにケースへ戻せばバッテリー切れを心配する必要はありません。
JBL Sense Proのメリット・デメリット(本音レビュー)
1ヶ月間、毎日8時間以上使用した経験から、この製品の真実を語ります。
ここが最高
- 耳の健康維持: カナル型のように耳穴を密閉しないため、外耳炎のリスクを低減でき、耳が蒸れる不快感も皆無です。
- 圧倒的な「ながら聴き」音質: オープンイヤー型というカテゴリー内では、間違いなくトップクラスの音響体験を提供してくれます。
- 生活との調和: 音楽を聴きながら家族に話しかけられても即座に反応でき、インターホンの音も聞き逃しません。
ここが惜しい
- ケースの大きさ: 平べったいものの面積があるため、タイトなジーンズのポケットに入れると少し目立ちます。
- LDACのバッテリー消費: 音質重視の設定にすると、単体での連続再生時間は実測で4時間程度まで落ち込むことがあります。
- 騒音下での限界: 地下鉄のホームなど、極端に騒音が激しい場所では、耳を塞がない構造ゆえに音楽の細かいニュアンスは聞き取れなくなります。
競合他社モデルとの徹底比較
JBL Sense Proと、同価格帯のライバル機をスペック表で比較します。
| 比較項目 | JBL Sense Pro | Shokz OpenFit | Huawei FreeClip |
|---|---|---|---|
| 駆動方式 | 16.2mmダイナミック | 18x11mmダイナミック | 10.8mmダイナミック |
| 高音質コーデック | LDAC対応 | AAC / SBC | L2HC / AAC |
| 空間オーディオ | JBL空間サウンド搭載 | 非搭載 | 非搭載 |
| 装着スタイル | 4段階可動フック | 固定フック | C-bridgeデザイン |
| 実勢価格 | 24,200円 | 約24,880円 | 約27,800円 |
比較から見えるJBL Sense Proの優位性
Shokz OpenFitは装着感に定評がありますが、音質の解像度と空間オーディオの有無でJBLに軍配が上がります。Huawei FreeClipは非常にユニークなデザインで装着感も軽いですが、音の厚みや迫力という点では、大型ドライバーを搭載したJBL Sense Proが圧倒しています。
【結論】JBL Sense Proはどんな人におすすめか?
JBL Sense Proは、これまでのオープンイヤー型イヤホンが抱えていた「音質への妥協」を、高い技術力で解決した画期的なモデルです。
このイヤホンを買うべき人
- リモートワークが多い方: 耳の疲れを最小限にしつつ、高品質なマイクで会議の質を高めたい。
- オーディオ好きの「ながら聴き」派: 解放感は欲しいが、スカスカな音では満足できない。LDACで高音質な音楽を楽しみたい。
- スポーツと日常を1台で済ませたい方: 付属のネックバンドで激しい動きにも対応し、防水性能も備えているため、使い分けが不要。
逆に、飛行機や新幹線の中など、極度の静寂(ノイズキャンセリング)を求めるシーンには不向きです。しかし、それ以外の「日常のあらゆる時間」を豊かにするデバイスとして、JBL Sense Proは現在、最も完成度の高い選択肢であると断言できます。
24,200円という投資は決して安くはありませんが、耳の健康、快適な装着感、そしてJBLが誇る最高峰のサウンドを毎日享受できることを考えれば、その価値は十分にあります。あなたの生活に、高品位なBGMを常駐させてみませんか?


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