REALFORCE GX1 Plusは、東プレが長年培ってきた「静電容量無接点方式」の信頼性に、現代の競技シーンで求められる「圧倒的な反応速度」を融合させた、まさにゲーミングキーボードの完成形といえるモデルです。
2026年2月6日に発売された本作は、前作GX1でユーザーから寄せられたフィードバックを完璧に反映し、単なるマイナーチェンジに留まらない進化を遂げました。35,200円(税込)という価格設定は決して安くはありませんが、そのスペックと耐久性を紐解けば、むしろ「一生モノ」としてのコストパフォーマンスが見えてきます。
GX1 Plusで進化した4つの決定的な変更点
前作「GX1」から「Plus」へとアップデートされたことで、ハードウェア・ソフトウェアの両面で劇的な強化が図られました。
ポーリングレートが8000Hzへ大幅強化
最も大きな進化は、PCとの通信頻度を示すポーリングレートが、前作の1000Hzから最大8000Hzへと8倍に強化されたことです。
| 比較項目 | 前作 GX1 | 新型 GX1 Plus | メリット |
|---|---|---|---|
| ポーリングレート | 1000Hz | 8000Hz | 通信頻度が8倍に向上 |
| 理論上の入力遅延 | 約1.0ms | 約0.125ms | 指の動きが瞬時に画面へ反映 |
高リフレッシュレート(240Hzや360Hz以上)のモニターを使用している環境では、指の動きと画面内の挙動のズレが極限まで抑えられ、より直感的な操作が可能になります。特にFPSにおける追いエイムや、音ゲーなどのシビアなタイミングが求められるシーンでその差は顕著です。
待望のケーブル着脱式(USB Type-C)を採用
GX1では本体直出しだったケーブルが、ついに脱着可能なType-C仕様になりました。
- 断線トラブルの解消: ケーブルが原因でキーボード本体が使用不能になるリスクがなくなりました。
- 持ち運びの利便性: ケーブルを取り外して収納できるため、オフライン大会や遠征時、デスク掃除の際にもスムーズに取り回せます。
- デスク周りのカスタマイズ: ユーザーお気に入りのパラコードケーブルやコイルケーブルなどへ変更し、自分だけのデスク環境を整える楽しみも増えました。
PBT製ダブルショットキーキャップへの刷新
素材がABSから、摩耗に強いPBT(ポリブチレンテレフタレート)に変更されました。
| 素材 | ABS(旧モデル) | PBT(GX1 Plus) |
|---|---|---|
| 質感 | 滑らかだが汗でベタつきやすい | サラサラとしており質感が持続する |
| 耐久性 | 長期使用で表面にテカリが出る | 摩耗に強くテカリが発生しにくい |
| 印字方式 | レーザー刻印等 | 2色成形(物理的に消えない) |
この変更により、何千万回とタイピングを繰り返してもキートップがツルツルにならず、購入時の美しい外観と清潔感が長く維持されます。
進化したKill Switch(SOCD)機能
左右移動キー(A/Dなど)の同時押し挙動を制御する「Kill Switch」が、最大8ペアまで設定可能に拡張されました。
VALORANTなどのFPSにおいて、左右のキーを同時に押した際、後から押した方を優先させる「後入力優先」設定は、今や必須級の機能です。GX1 Plusではこれを高い精度で実現し、デバイス側でストッピングの速度と精度を強力にサポートします。
独自機構「静電容量無接点方式」がゲーマーにもたらす恩恵
REALFORCEの代名詞である「静電容量無接点方式」は、単なる「高級な押し心地」以上の実利をプレイヤーに提供します。
物理接点がないことによる「無類の安定性」
磁気式(ホールエフェクト)スイッチが台頭する昨今ですが、静電容量無接点方式には「チャタリング(二重入力)が構造上発生しない」という絶対的な安心感があります。スイッチの寿命も1億回以上の打鍵に耐えうるため、激しい操作を数年続けても性能が劣化しません。
Dynamic Mode(ラピッドトリガー)の精度
キーのオン・オフ位置を0.1mm単位(0.1mm〜3.0mm)で調整できるラピッドトリガー機能を搭載しています。
- 俊敏なストッピング: 指をわずかに浮かせた瞬間に「キーが離された」と認識されるため、キャラクターの動きがピタッと止まります。
- 誤作動の抑制: 磁気式スイッチと比較しても、東プレの高度な制御技術は、意図しない入力(ノイズによる誤動作)が極めて少ないのが特徴です。
【比較】キー荷重は「30g」と「45g」どちらを選ぶべきか?
GX1 Plusには2種類のキー荷重が用意されています。ここを間違えると使用感に直結するため、自身のスタイルに合わせて選んでください。
| 比較項目 | 30g(軽量モデル) | 45g(標準モデル) |
|---|---|---|
| 押し心地 | 羽毛のように軽く撫でる入力が可能 | 適度なクリック感と押し返しがある |
| 反応速度 | 物理的な抵抗が少なく最速で入力 | 確かなフィードバックで操作を実感 |
| 疲労度 | 長時間の操作でも指への負担が最小 | 慣れれば問題ないが30gよりは重い |
| 向いている人 | 反射神経重視のFPS、音ゲー | ゲームと仕事(執筆)を両立する人 |
| デメリット | 指を置いているだけで誤入力の恐れ | 30gに比べると瞬発力で劣る場合あり |
例えば、深夜までゲームをプレイした後に翌朝から仕事で長文を書くようなユーザーには、誤入力の少ない45gが最適です。一方で、コンマ数秒の反応を競うトップランクのFPSプレイヤーには、指の重さだけで入力が完結する30gが推奨されます。
所有欲を完璧に満たす「ガンダムコラボモデル」の価値
今回のGX1 Plusでは、通常モデルのほかに『機動戦士Zガンダム』などのコラボモデルも展開されます。2026年3月31日発売予定のこれらのモデルは、単なる色替えモデルではありません。
- 百式モデル: 鮮やかなゴールド塗装の天面筐体に、レッド・ネイビー・イエローのトリコロール配色をキーキャップに採用。
- Zガンダムモデル: 作品の世界観を象徴するカラーリングを細部にまで施したデザイン。
- 専用リストレスト: 描き下ろしパッケージに加え、キャラクター刻印入りのアルミ製リストレストが標準付属。
これらのコラボモデルは、実用的なハイエンドデバイスとしての性能と、コレクターズアイテムとしての資産価値を両立させています。特にアルミ製リストレストは単品でも高価なものであり、ファンにとっては非常に満足度の高いパッケージ内容です。
REALFORCE GX1 Plusのメリット・デメリット
高性能なGX1 Plusですが、検討にあたって理解しておくべき点もあります。
メリット
- 圧倒的な打鍵感: 「スコスコ」という独特の感触は、一度使うと戻れない心地よさ。仕事のタイピングさえ楽しくなります。
- 競技スペックの完成: 8000Hzとラピッドトリガーにより、磁気式キーボードと対等以上に渡り合える反応速度を実現。
- 長期的な信頼性: 1億回の耐久性とPBTキーキャップにより、5年、10年と使い続けられる堅牢性。
デメリット
- 高価な価格設定: 税込35,200円は、一般的なゲーミングキーボードの2倍から3倍の価格です。
- 重量の重さ: 約1.2kgと重いため、頻繁に持ち運ぶ用途には向かず、デスク固定での使用が前提となります。
- 有線接続のみ: 低遅延と高ポーリングレートを優先しているため、Bluetooth等のワイヤレス機能はありません。
まとめ:GX1 Plusは「究極の汎用性」を求める人の終着駅
REALFORCE GX1 Plusは、「ゲームでの勝利」と「日常の快適さ」を一切妥協したくない人のためのキーボードです。
| スペック詳細 | 内容 |
|---|---|
| スイッチ方式 | 静電容量無接点方式(1億回耐久) |
| ポーリングレート | 最大8000Hz |
| キー荷重 | 30g または 45g |
| キーキャップ | PBT 2色成形(ダブルショット) |
| 接続方式 | USB Type-C(着脱式) |
| ラピッドトリガー | 0.1mm〜3.0mmの間で調整可能 |
| 価格(税込) | 35,200円前後(通常モデル) |
最新の8000HzポーリングレートやPBTキーキャップの採用により、前作でわずかに残っていた隙が完全になくなりました。安価なデバイスを数年ごとに買い換えるよりも、最高の一台を長く、大切に使い込みたい。GX1 Plusは、そんなこだわりの強いユーザーの期待に、確実に応えてくれる究極の一台です。


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