Apple Watchの選び方決定版!GPSモデルとCellularモデルの違いを徹底比較
Apple Watchの購入を検討する際、誰もが直面する最初の大きな選択肢、それが「GPSモデル」か「GPS + Cellularモデル」かという問題です。この選択は、単なる価格の違いだけでなく、Apple Watchの使い勝手や、あなたがどれだけiPhoneから解放されるかという「自由度」に直結します。
プロのWeb編集者である筆者が、あなたのライフスタイルに最適なApple Watchを選ぶための決定打となる情報を提供します。結論を先に述べると、選ぶべきモデルは「iPhoneを常に持ち歩くかどうか」と「Apple Watch単体でどこまで通信機能を使いたいか」の2点によって明確に分かれます。
本記事では、両モデルの基本的な違いから、具体的な利用シーン、コストパフォーマンス、そして見落としがちなバッテリー消費の違いまで、徹底的に深掘りしていきます。
選択の核心は「iPhoneの有無」と「単独通信の必要性」
Apple Watchは基本的にiPhoneと連携して機能するように設計されています。GPSモデルは、通話、メッセージ、インターネット接続といった通信機能を使うために、常に近くにiPhoneが必要です。
一方で、Cellularモデル(GPS + Cellularモデル)は、内蔵されたモバイル通信機能(eSIM)を利用することで、iPhoneが手元にない状態でも単体で通信サービスを継続して利用できます。これが、両モデルの最も重要な違いです。
### 決定的な違いは「モバイル通信モジュール」の有無
見た目はほぼ同じApple Watchですが、CellularモデルにはiPhoneと同じように、通信キャリアと契約してモバイルデータ通信を行うためのハードウェアが組み込まれています。このハードウェアの有無が、価格、機能、そして月額費用の発生に影響を与えます。
GPS vs Cellular:機能とコストの基本比較表
| 項目 | GPSモデル | GPS + Cellularモデル |
|---|---|---|
| 通信機能 | GPS、Wi-Fi、Bluetooth | 上記+モバイル通信(5G/LTE) |
| iPhoneの必要性 | 通信機能にはiPhoneが近くに必須 | iPhoneなしで単体通信が可能 |
| 本体価格(Series 11 41mmの場合) | 比較的安価(例:定価 62,800円) | GPSモデルより高価(例:定価 75,800円) |
| 月額料金 | 本体価格のみ(追加費用なし) | 通信キャリアの追加料金が必要(月額数百円) |
| 単体でのSuicaチャージ | iPhoneの電源が切れていると不可 | 可能(セルラー通信ができる状態なら) |
| ファミリー共有設定 | 不可能 | 可能(iPhoneを持たない子供などの管理) |
このように、Cellularモデルは「自由さ」を提供しますが、その対価として「高い本体価格」と「継続的な月額費用」が発生することを理解しておく必要があります。
GPSモデルが「賢い選択」である理由とコストメリット
多くのユーザーにとって、Apple Watchの主要な機能はGPSモデルで十分であり、そのコストパフォーマンスの高さは最大の魅力です。初めてApple Watchを購入する方や、価格を抑えたい方には、断然GPSモデルが推奨されます。
本体価格の具体的な差額シミュレーション
モデルにもよりますが、GPSモデルとCellularモデルの本体価格差は、通常10,000円から15,000円程度です。例えば、Apple Watch Series 11の場合、41mmモデルのGPSモデルが定価62,800円(税込)だとすると、Cellularモデルは75,800円(税込)程度になります。
初期投資の13,000円の差は、長期的に見ればさらに大きくなります。
追加費用ゼロ!月額コストフリーの安心感
Cellularモデルは、iPhoneと同じ電話番号を共有するために、通信キャリアに対して毎月追加料金を支払う必要があります。主要キャリア(ドコモ、au、ソフトバンクなど)では、このサービスは月額330円~550円(税込)程度が一般的です。
- 年間ランニングコスト(GPSモデル):0円
- 年間ランニングコスト(Cellularモデル):約4,000円~6,600円
Apple Watchを5年間使用すると仮定した場合、本体価格の差額(13,000円)に加えて、通信費用だけで約20,000円~33,000円の追加コストが発生することになります。トータルで約33,000円~46,000円の差は、決して無視できません。
日常使いに十分すぎるGPSモデルの機能群
「iPhoneを常に近くに持っている」という前提であれば、GPSモデルは以下の主要機能を完全にカバーします。
- 通知機能:iPhoneにかかってきた電話やメッセージ、アプリの通知をすべて手元で確認できます。
- 健康記録:心拍数、心電図(対応モデル)、睡眠スコア、血中酸素ウェルネスなど、すべての健康データを記録します。
- 運動記録:GPS機能により、ランニングやウォーキングの経路や距離を正確に測定します。
- 緊急安全機能:転倒検出、衝突事故検出は、iPhoneが近くにあれば作動します。
- 決済機能:Apple Pay(Suica、iD、QUICPayなど)を使った支払いは、iPhoneの接続の有無に関わらず可能です(後述)。
あなたが通勤やオフィス、自宅など、日常のほとんどの場面でiPhoneを手放さない生活を送っているなら、GPSモデルを選ぶのが最も経済的で合理的な選択です。
Cellularモデルの「自由さ」が生む具体的なメリット5選
では、追加コストを払ってでもCellularモデルを選ぶべきなのは、どのようなユーザーでしょうか?それは「iPhoneなしで行動する場面」が多い人です。Cellularモデルは、物理的な制約からの「自由」を提供します。
(1) ランニングやアウトドアでの「手ぶら」通信
ランニングやジムでのトレーニング、近所への犬の散歩など、「iPhoneは置いていきたいけど、緊急の連絡だけは受けたい」というニーズに完璧に応えます。
- 通話・メッセージの単独利用:例えば、ジムで筋トレ中に取引先からの急な電話や、家族からの重要な連絡が入っても、iPhoneをロッカーに置いたままApple Watchで応答したり、Siriを使って返信したりできます。
- 音楽・ポッドキャストのストリーミング再生:Cellularモデルは、Apple MusicやSpotifyなどのストリーミングサービスを、iPhoneを介さずに単体で利用できます。GPSモデルの場合、事前にWi-Fi経由でダウンロードした曲しかオフラインで再生できませんが、Cellularならその場で気分に合わせてプレイリストを検索し、何万曲もストリーミング再生が可能です。ダウンロード容量を気にする必要がなくなります。
この「手ぶらで行動できる」自由こそが、Cellularモデルの最大の付加価値です。
(2) 唯一無二の機能「ファミリー共有設定」の詳細
Cellularモデルのみが対応しているのが「ファミリー共有設定」です。これは、iPhoneを持たない家族(主に子供や高齢者)のためにApple Watchを設定し、親や介護者のiPhoneでそのApple Watchを管理できる機能です。
- 子供の見守り:子供に連絡手段を持たせたいが、スマートフォンはまだ早いと考える親御さんにとって最適です。学校や習い事からの帰宅時に、親のiPhoneの「探す」アプリでリアルタイムで子供の位置情報を把握できます。
- 緊急連絡手段:子供が学校で何かあった際、Apple Watchから親へ緊急SOSを発信したり、電話をかけたりすることが可能です。また、「スクールタイム」機能を使えば、授業中は特定のアプリの利用を制限し、学習に集中させることができます。
- 高齢者の安全確保:高齢の家族が転倒したり、体調を崩したりした場合に、自動で通知を受け取る設定ができます。
この機能は、家族の安全・安心のためにCellularモデルを選ぶ、非常に大きな理由となります。
(3) iPhoneのバッテリー切れや故障時も安心のバックアップ機能
外出先でiPhoneのバッテリーが切れてしまった場合、GPSモデルはただの高級時計になってしまいます。しかし、Cellularモデルは単体で通信を継続できるため、連絡手段を失うことがありません。
緊急時にApple Watch単体で緊急SOSを発信できる安心感は、特に災害対策や予期せぬトラブル時には大きなメリットとなります。
(4) 海外旅行時の安全機能「国際緊急通報」
Apple Watch Series 5以降のCellularモデルでは、海外旅行中に現地の緊急通報サービス(例:日本なら119番、アメリカなら911番)に電話をかけることができます。
iPhoneを持っていなくても、異なる国や地域にいる際に緊急事態が発生した場合、現地の緊急サービスに自動で接続される機能は、旅行や出張が多い方にとって究極の安全機能と言えます。
(5) Apple Watch単体でのSuicaチャージの利便性
GPSモデルでもSuicaなどの決済は可能ですが、チャージ作業を行う際は、通常iPhoneとの接続が必要です(またはWi-Fi接続)。
しかし、Cellularモデルであれば、モバイル通信経由で単体でSuicaへのチャージが可能です。「急いで改札を通りたいのに残高が足りない!しかしiPhoneのバッテリーはゼロ」といった状況でも、CellularモデルならWatch単体でキャリア回線を通じてチャージが完了します。これにより、通勤中や外出先でiPhoneが手元になくても、残高不足を気にせず、Apple Watchだけで完結した決済体験が実現します。
誤解解消!GPSモデルで「できること」と「できないこと」の境界線
GPSモデルの機能が限定的だと誤解している方もいますが、実際は多くの主要機能が利用可能です。特に、決済と音楽再生については正しい知識が必要です。
オフラインでの決済(エクスプレスカードとしてのSuica)
Apple WatchでSuicaを「エクスプレスカード」に設定しておけば、iPhoneが近くになくても、また、Wi-FiやBluetoothの接続がないオフラインの状態でも、改札の入退場や店舗での支払いが可能です。
Suica決済は、チャージされた残高情報がWatch本体に保持されているため、通信機能は必要ありません。これはGPSモデル、Cellularモデル共通の非常に強力なメリットです。
音楽のダウンロード再生
GPSモデルであっても、事前にiPhoneとWi-Fi接続された状態で、Apple Watchに音楽やポッドキャストのデータをダウンロードしておけば、iPhoneなしでオフライン再生が可能です。ランニングなどで音楽を聴きたいだけなら、GPSモデルで十分に実現できます。
iPhoneなしでのメッセージの新規送信やWeb情報の取得
GPSモデルの場合、iPhoneが通信圏外にある状態(例えば、iPhoneが家にあり、あなたが外出している状態)では、以下のことができません。
- 新しい電話をかけたり、新しいメッセージを送ったりすること。
- 天気情報や株価、Web上の情報をリアルタイムで更新・取得すること。
- Siriを使ったWeb検索や情報取得。
これは、GPSモデルの通信機能がiPhoneに依存しているためです。
あなたはどっち?ユーザータイプ別最適な選び方チャート
具体的な利用シーンに基づき、あなたがどちらのモデルを選ぶべきか、ユーザータイプ別に明確に推奨します。
【タイプA】価格重視の初心者・日常使いユーザー ➡️ GPSモデル推奨
このタイプは、Apple Watchの利便性(通知、健康管理、決済)は享受したいが、特別な利用シーンは想定していないユーザーです。
- 選定ポイント:ほとんどの場合、iPhoneはバッグやポケットの中にある。月額費用はかけたくない。
- 想定シーン:通勤、オフィスワーク、自宅でのリラックスタイム、近所の買い物。
【タイプB】アクティブな手ぶら派・アスリート ➡️ Cellularモデル推奨
身体を動かす趣味を持ち、スマートフォンを持ちたくないが、緊急時や連絡手段は確保したいユーザーです。
- 選定ポイント:ランニング、サイクリング、水泳時など、iPhoneを持たずに長時間行動する頻度が高い。ストリーミングで音楽を聴きながら運動したい。
- 想定シーン:10km以上の長距離ランニング、サーフィンなどのウォータースポーツ、荷物を最小限にしたい旅行。
【タイプC】子供や高齢者の見守りが必要なユーザー ➡️ Cellularモデル推奨(必須)
これは、ファミリー共有設定が必須となるため、必然的にCellularモデル一択となります。
- 選定ポイント:iPhoneを持っていない子供の安全確保、離れて暮らす高齢者の見守り。
- 想定シーン:子供の初めての携帯電話代わり、認知症の家族の位置情報追跡。
Cellularモデル契約前に知っておくべき月額料金とキャリア対応
Cellularモデルを最大限に活用するには、日本の主要通信キャリアとの別途契約が必要です。契約の際には、単なる料金だけでなく、サービス名と仕組みを理解しておきましょう。
通信キャリアの月額サービスと年間コスト
Cellularモデルでモバイル通信を利用するには、iPhoneと同じ電話番号をApple Watchでも使えるようにする「番号シェアサービス」に加入します。各キャリアの具体的なサービス名は以下の通りです。
- ドコモ:「ワンナンバーサービス」(月額550円)
- au:「ナンバーシェア」(月額385円)
- ソフトバンク:「Apple Watch モバイル通信サービス」(月額385円)
- 楽天モバイル:「電話番号シェアサービス」(月額550円)
※料金は変動する可能性がありますが、概ね年間4,620円~6,600円の維持費がかかります。
この費用は、本体価格の差額と合わせて、購入前に必ず考慮に入れるべき隠れたコストです。
バッテリー寿命と重量の違い:実は日常利用に大きな影響が
Cellularモデルを選ぶ際、通信機能の利便性と引き換えに、バッテリーの持ちと本体重量に若干の違いが生じる可能性があります。
バッテリー消費は「使い方」によって大きく変わる
Apple Watchの公称バッテリー駆動時間(通常18時間など)は、GPSモデルとCellularモデルで基本的に同じです。しかし、実際にCellular機能を利用した場合、消費電力は劇的に増加します。
- GPSモデル:バッテリー消費の主な要因は、Bluetooth通信、GPS測定、画面点灯。
- Cellularモデル:上記に加え、モバイル通信(5G/LTE)の電波を探し、維持する電力が追加されます。
例えば、iPhoneなしでApple Watch単体でストリーミング再生を1時間行った場合、GPSモデルよりもCellularモデルの方がはるかに多くのバッテリーを消費します。頻繁に単独通信を行うユーザーは、毎日の充電頻度が増えることを覚悟する必要があります。
本体重量とデザインの違い
GPSモデルはアルミニウムケースのみがラインナップされますが、Cellularモデルはアルミニウムの他に、ステンレススチールやチタニウムといった高級素材のケースが用意されていることが多いです。
- ステンレススチールモデル:すべてCellular対応であり、GPSモデルはありません。耐久性が高く高級感がありますが、アルミニウムモデルよりも重くなります(例:45mmアルミニウムが約39gに対し、45mmステンレスは約51g)。
デザインや素材の選択肢を広げたい場合も、必然的にCellularモデルを選ぶことになります。
モデル別(Series/SE/Ultra)のCellular対応状況
Apple Watchには複数のモデルがあり、それぞれでCellularモデルの扱いが異なります。
UltraモデルはすべてCellular対応の理由
最上位モデルであるApple Watch Ultra(Ultra 3など)は、GPSモデルが存在せず、すべてのモデルが最初からCellularモデル(GPS + Cellular)として設計されています。
これは、Ultraモデルが「極限環境での利用」や「プロのアスリート向け」を想定しており、iPhoneが手元にない状況での安全性(衛星経由の緊急SOS機能など)や通信の信頼性が最優先されるためです。耐久性、バッテリー持続力、そして通信の自由度を最高レベルで融合させているのがUltraモデルです。
Apple Watch SEでもCellularを選ぶメリット
手頃な価格帯のApple Watch SEモデルにもGPSとCellularの両方が用意されています。SEモデルでCellularを選ぶ最大のメリットは、コストを抑えつつファミリー共有設定が利用できる点です。
子供に持たせるためにファミリー共有設定を使いたい場合、高価なSeriesやUltraではなく、SEのCellularモデルを選ぶのが最も賢明な選択と言えます。
結論:迷ったら「GPSモデル」から始めるのが鉄則
Apple WatchのGPSモデルとCellularモデルの比較を詳しく見てきました。最終的な推奨は以下の通りです。

- GPSモデルを選ぶべき人:日常のほとんどの場面でiPhoneを手放さない人、Apple Watchを初めて使う人、月額費用をかけたくない人。
- Cellularモデルを選ぶべき人:運動時にiPhoneを持たずに出かけたい人、子供や高齢者に見守り機能として持たせたい人(ファミリー共有設定利用者)、デザインの選択肢(ステンレスなど)を広げたい人。
もしあなたがどちらか迷っているなら、まずは安価で月額費用のないGPSモデルから試してみることを強くお勧めします。GPSモデルで十分な機能が得られれば、追加のコストは一切かかりません。もし、使っていくうちに「やっぱりランニング中にiPhoneなしで連絡を取りたい」といった具体的なニーズが出てきたら、その時点でCellularモデルへの買い替えを検討すれば良いでしょう。
あなたのライフスタイルと予算に合った最適なモデルを選び、より便利で安全なApple Watchライフをスタートさせてください。




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