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RX 7800 XTの消費電力を徹底解説!実測値・比較・推奨電源・おすすめモデルまで

RX 7800 XTの消費電力を徹底解説!実測値・比較・推奨電源・おすすめモデルまで
目次

導入文

AMD Radeon RX 7800 XTは、PCゲーマーの間で人気の高い1440p解像度でのゲーミングを主なターゲットとしたグラフィックカードです。多くの場合、競合製品に対して優れたコストパフォーマンスを発揮するモデルとして位置づけられています。

しかし、新しいPCを組む際や既存のPCをアップグレードする際に、グラフィックカードの性能だけでなく**「消費電力」**も非常に重要な要素となります。消費電力は、必要な電源ユニット(PSU)の容量を決定し、月々の電気代に影響を与え、PCケース内の発熱量や必要な冷却性能、さらにはシステム全体の安定性にも関わってきます。

この記事では、メインキーワードである**「rx7800xt 消費 電力」**に焦点を当て、AMD Radeon RX 7800 XTの消費電力について、公式スペックから信頼できるレビューサイトによる実測データ、主要なライバル製品や前世代モデルとの比較、そして適切なPSU選びや電力効率の最適化、さらに現在購入可能なおすすめモデルに至るまで、包括的に解説していきます。

RX 7800 XTの公式スペックとTBP(消費電力)

まず、RX 7800 XTの基本的な立ち位置と公式な消費電力仕様を確認しましょう。

主な仕様概要

RX 7800 XTは、AMDのRDNA 3アーキテクチャを採用し、Navi 32 GPUをベースにしたグラフィックカードです。主なターゲットは1440p解像度での快適なゲーミングですが、設定次第では4K解像度も視野に入ります。16GBの大容量GDDR6メモリを搭載している点も特徴です。

消費電力に関して最も重要な公式指標はTypical Board Power (TBP) で、これは263Wと定められています。TBPは、グラフィックカード全体が典型的な負荷状況下で消費すると想定される電力の目安です。

また、このクラスの電力供給には標準的な8ピンPCIe補助電源コネクタが2つ必要となります。

AMD公式の推奨電源ユニット(PSU)容量

AMDは、RX 7800 XTを使用するシステムに対して、最低700WのPSU容量を公式に推奨しています。

ただし、この推奨値には重要な前提条件があります。AMDによると、この700Wという数値は、消費電力の大きいハイエンドCPUであるAMD Ryzen 9 7950Xプロセッサを搭載し、かつ他のシステムコンポーネントの典型的な電力需要も考慮した上での計算に基づいています。

このことから、AMDの700Wという推奨値は、かなり余裕を持たせた、あるいは高負荷な構成を想定した安全策としての側面が強いと考えられます。メーカーとしては、様々なユーザー環境(CPUの種類、PSUの品質、オーバークロックの有無など)においても安定動作を保証できるよう、保守的な数値を提示する傾向があります。

後述するように、より一般的なミドルレンジCPUと組み合わせる場合や、品質の高いPSUを使用する場合は、700W未満の容量でも十分に安定動作する可能性が高いことが、実際のレビューやユーザー報告から示唆されています。したがって、700Wは絶対的な最低ラインというよりは、あらゆる状況に対応するためのガイドラインと捉えるのが適切でしょう。

実環境での消費電力:レビューから見るリアルな数値

公式のTBPはあくまで目安であり、実際の消費電力はPCの使用状況によって大きく変動します。アイドル時、動画再生時、ゲームプレイ時など、具体的なシナリオでの消費電力を知るためには、専門的な測定機器を用いた独立系レビューサイトのデータが非常に参考になります。ここでは、信頼性の高いレビューで知られるTechPowerUpなどの測定結果を基に、RX 7800 XTのリアルな消費電力を見ていきましょう。

詳細な消費電力の内訳

  • アイドル時 (Idle):11-12W。これはWindowsのデスクトップ画面を表示しているだけの状態(シングルモニター、2560×1440解像度)での数値です。なお、マルチモニター環境ではアイドル時の消費電力が増加する傾向があります。
  • 動画再生時 (Video Playback):17-18W。これはH.264形式の4K動画を再生した場合の数値です。最新のGPUは動画デコード支援機能が非常に効率化されており、低い消費電力で高解像度動画を再生できます。RDNA 3アーキテクチャではメディアエンジンも更新され、最新のAV1コーデックのハードウェアエンコード・デコードにも対応しています。
  • ゲームプレイ時(平均)(Average Gaming):260W。これは「サイバーパンク2077」を4K解像度・最高設定(レイトレーシング無効)でプレイした場合の平均値です。公式TBPの263Wに非常に近い値であり、TBPが高負荷なゲームプレイ時の消費電力の良い指標となっていることがわかります。
  • ゲームプレイ時(最大負荷に近い状況)(Near-Max Gaming Load): 平均は約260Wですが、特に負荷の高いシーンやゲームタイトルによっては、一時的にこれより高い消費電力(後述のFurmark値に近いレベル)に達することもあります。
  • 高負荷時(ベンチマークソフト – Furmark)(Max Load – Furmark):283W。Furmarkのようなストレステストソフトは、GPUに意図的に極度の負荷をかけるため、通常のゲームプレイよりも高い消費電力となります。この値は、多くの場合、GPUが電力リミットに達している状態を示します。
  • 瞬間最大電力(パワースパイク)(Peak Power Spikes):309W。GPUは、平均的な消費電力よりもはるかに高い電力を、ごく短時間(ミリ秒単位)だけ引き出すことがあります。これをパワースパイクと呼びます。PSUの「容量」は平均消費電力に基づいて選ばれますが、品質の低いPSUや容量不足のPSUでは、この瞬間的な電力要求に対応できず、保護回路が作動してPCがシャットダウンしてしまう原因となることがあります。

これらの実測値をまとめたものが以下の表です。

表1: RX 7800 XT 実測消費電力まとめ

シナリオ (Scenario)消費電力 (目安) (Approx. Power Consumption (W))
アイドル (Idle)~12W
マルチモニターアイドル (Multi-Monitor Idle)アイドル時より高い (Higher than Idle)
動画再生 (Video Playback)~18W
平均的なゲームプレイ (Average Gaming)~260W
最大負荷 (Furmark) (Max Load (Furmark))~283W
瞬間最大 (スパイク) (Peak Spike)~309W

この表からわかるように、RX 7800 XTの消費電力は状況によって大きく変動します。PCの用途に合わせて、これらの数値を参考にすることが重要です。

ライバル・前世代モデルとの消費電力比較

RX 7800 XTの消費電力を評価する上で、競合製品や前世代モデルとの比較は欠かせません。ここでは、主な比較対象となるNVIDIA GeForce RTX 4070と、前世代のAMD Radeon RX 6800 XTとの間で、消費電力がどのように異なるかを見ていきます。

公式の電力指標(TBP/TGP)比較

まず、各モデルの公式な電力指標を比較します。

  • RX 7800 XT: 263W TBP
  • RTX 4070: 200W TGP (Total Graphics Power – NVIDIAの同等指標)
  • RX 6800 XT: 300W TBP

実測ゲーム時消費電力の比較

次に、実際のゲームプレイにおける平均的な消費電力を比較します。

  • RX 7800 XT:250-260W
  • RTX 4070:200W
  • RX 6800 XT:300W (TBPから推定、実測値はTBPに近い傾向)

分析と考察

これらの数値を比較すると、いくつかの重要な点が見えてきます。

第一に、RX 7800 XTは前世代のRX 6800 XTと比較して、消費電力が大幅に改善されています。TBPで約40W、実際のゲームプレイでも同程度の削減が見られ、これはRDNA 3アーキテクチャと新しい製造プロセスの恩恵と言えるでしょう。

第二に、直接的な性能競合相手であるRTX 4070と比較すると、RX 7800 XTは約50-60W多く電力を消費します。これは、NVIDIAのAda Lovelaceアーキテクチャが電力効率を重視して設計されていることを示しています。

このRX 7800 XTとRTX 4070の消費電力の差は、両者を選択する上で重要な判断材料となります。多くのレビューで、ラスタライゼーション性能(従来のゲーム描画性能)においては両者は互角か、RX 7800 XTがわずかに優位とされています。

しかし、同等の性能を発揮するためにRX 7800 XTは約50-60W多くの電力を必要とします。この差は、PCケース内の発熱量の増加につながり、より強力な冷却(場合によってはより騒音の大きいファン)が必要になる可能性があります。また、特に電力料金が高い地域では、長期間の使用において電気代の差として現れる可能性も指摘されています。

したがって、RX 7800 XTとRTX 4070の選択は、初期価格や純粋なフレームレートだけでなく、この電力効率の違いがもたらす運用上の影響(熱、騒音、ランニングコスト)も考慮に入れる必要があります。

以下の表は、主要モデルの消費電力と性能の目安を比較したものです。

表2: RX 7800 XT vs 主要ライバル 消費電力比較

モデル (Model)公式電力指標 (TBP/TGP) (W)実測ゲーム時消費電力 (目安) (W)1440p 相対性能 (目安・ラスタ) (Relative 1440p Performance (Approx. Raster))
AMD Radeon RX 7800 XT263 (TBP)~260ベースライン (Baseline) / わずかに優位 (Slightly Ahead)
NVIDIA GeForce RTX 4070200 (TGP)~200ほぼ同等 (Similar)
AMD Radeon RX 6800 XT300 (TBP)~300わずかに劣る (Slightly Lower)

消費電力に影響を与える様々な要因

グラフィックカードの消費電力は、カード自体の仕様だけでなく、様々な要因によって変動します。主な要因を理解しておくことは、電力管理やトラブルシューティングに役立ちます。

ワークロードの強度

  • ゲームタイトルと設定: ゲームによってGPUへの負荷は大きく異なります。当然ながら、グラフィック設定を高くする(例: 最高設定 vs 中設定)、レイトレーシングのような重い処理を有効にする、描画が複雑なシーンを表示するなど、GPUへの要求が高まれば消費電力も増加します。
  • 解像度: より高い解像度(例: 4K > 1440p > 1080p)で描画する場合、GPUはより多くのピクセルを処理する必要があるため、ワークロードが増加し、消費電力も高くなります。

システム構成

  • 組み合わせるCPU: ゲーム中、最も電力を消費するのはGPUですが、高性能なCPUもかなりの電力を消費します。これはシステム全体の消費電力に影響し、PSU選びの重要な要素となります。また、CPUがボトルネック(CPUの処理能力がGPUの性能を制限する状態)になっている場合、GPUがフルに性能を発揮できないため、結果的にGPUの消費電力が抑えられることもあります。
  • 電源ユニット(PSU)の品質と効率: 高効率なPSU(例: 80 PLUS GoldやPlatinum認証)は、低効率なPSU(例: Bronze認証)と比較して、AC(交流)からDC(直流)への変換時に無駄になるエネルギー(熱として放出される)が少なくなります。これはGPU自体の消費電力を変えるわけではありませんが、壁のコンセントから引き出す電力(=電気代に影響)を削減します。さらに重要なのは、PSUの品質が電圧の安定性やリップルノイズ(電圧の微細な変動)の抑制に影響することです。特にGPUのパワースパイクに対応するためには、高品質なPSUが不可欠です。

GPUモデルのバリエーション

  • カスタムモデル vs リファレンスモデル (Custom AIB vs. Reference Models): ASUS、Sapphire、PowerColor、ASRockなどのアドインボード(AIB)パートナーが製造するカスタムモデルは、AMD自身が設計したリファレンスモデル(MBA – Made By AMD)と比較して、多くの場合、工場出荷時からオーバークロックされていたり、VBIOS(GPUの基本設定)でより高い電力リミットが設定されていたり、より強力な冷却機構を備えています。
  • これらのカスタムモデル、特にオーバークロックされたモデルは、クロック周波数の向上や電力リミットの緩和により、リファレンスモデルの公称TBP(263W)や実測平均ゲーム時消費電力(約260W)よりも若干高い消費電力を示す可能性があります。例えば、あるレビューではPowerColor Hellhoundモデルのゲーム時平均消費電力が273Wと測定されており、リファレンスよりわずかに高い値となっています。ただし、これらのカスタムモデルは通常、より優れた冷却ソリューションを備えているため、増加した発熱を効率的に処理し、結果的により静かに動作することも少なくありません。したがって、高性能なカスタムモデルを選ぶ場合は、ベースラインとなるリファレンスモデルよりもわずかに消費電力が高くなる可能性を念頭に置く必要がありますが、多くの場合、その差は冷却性能によって適切に管理されます。

電力効率 (ワットパフォーマンス) とアンダーボルトの効果

消費電力の絶対値だけでなく、「電力効率」、つまり消費電力あたりの性能(ワットパフォーマンス)も重要な評価軸です。

電力効率(ワットパフォーマンス)の定義

電力効率とは、消費した電力1ワットあたりにどれだけの性能を発揮できるかを示す指標です。一般的に、ゲームのフレームレート(FPS)を消費電力(W)で割った値(FPS/Watt)や、ベンチマークスコアを消費電力で割った値(Points/Watt)などで評価されます。

電力効率が高いほど、同じ性能をより少ない電力で実現できる、あるいは同じ電力でより高い性能を発揮できることを意味し、結果として発熱や騒音の低減、ランニングコストの削減につながります。

RX 7800 XTの標準状態での電力効率

  • 対 RX 6800 XT: 全体的に効率は向上しています。RX 6800 XTと同等かそれ以上の性能を、約40-50W低い消費電力で実現しています。
  • 対 RTX 4070: 標準状態では効率で劣りますRTX 4070は、RX 7800 XTと同等のラスタライゼーション性能を発揮しながら、消費電力は約50-60W低くなっています。

RDNA 3アーキテクチャはRDNA 2から電力効率を改善しましたが、NVIDIAのAda Lovelaceアーキテクチャと比較すると、標準状態での効率には差が見られます。RX 7800 XTがRTX 4070と同等の性能を達成している一方で、消費電力が大幅に高いという事実は、AMDが性能目標を達成するために、必ずしも最も効率的な動作点ではなく、より高いクロック周波数と電圧を選択した可能性を示唆しています。

後述するアンダーボルト(低電圧化)によって大幅な電力削減が可能であることも、標準設定が効率よりも性能を優先していることの裏付けとなります。これは、NVIDIAがAda Lovelaceでワットあたりの性能を最大化することに重点を置いた設計思想とは対照的です。

アンダーボルト(Undervolting): 電力効率改善への道

RX 7800 XTの電力効率は、ユーザー自身の手で改善できる可能性があります。その方法が**「アンダーボルト」**です。

  • アンダーボルトとは: GPUコアが特定の周波数で動作するために必要な電圧を、標準設定よりも低く設定することです。多くの場合、メーカーの設定する標準電圧は安定動作のためのマージンを含んでおり、実際にはより低い電圧でも安定して動作することがあります。電圧を下げると、消費電力と発熱が大幅に削減されます。多くの場合、性能をほとんど、あるいは全く損なうことなく、これらのメリットを得られます。
  • 研究・報告事例:
    • TechRadar(Techtestersのテスト引用)によると、あるRX 7800 XTカスタムモデル(Gigabyte OC)の電力を標準の286Wから202Wへ約30%削減したところ、ゲームパフォーマンスの低下は平均で**約9%**に留まりました。これにより、標準状態のRTX 4070(約200W)と同等の消費電力で、性能的にも競合できるレベルになったと報告されています。
    • Redditユーザーの報告では、クロック周波数と電力ターゲットを調整することで、3DMark Solar Bayベンチマークにおいて、標準状態(276W)から消費電力を177Wへ約36%削減しつつ、スコアの低下を約11.4%に抑え、ワットあたりのスコア(効率)を約38%向上させることに成功しています。最も効率の良い動作点は1900 MHz付近で見つかったとのことです。
  • メリットとデメリット: アンダーボルトは、消費電力、発熱、騒音を大幅に削減できる可能性がある一方で、ユーザーがAMD Adrenalin Softwareなどのツールを使って設定を調整し、安定性をテストする必要があります。最適な設定を見つけるには試行錯誤が必要であり、場合によってはわずかな性能低下を受け入れる必要もあります。しかし、その効果は大きく、特に電力効率を重視するユーザーにとっては試す価値のある手法と言えるでしょう。

RX 7800 XTに必要な電源ユニット(PSU)容量は?

RX 7800 XTを安定して動作させるためには、適切な容量と品質の電源ユニット(PSU)を選ぶことが不可欠です。

AMDの700W推奨を再確認

まず、AMD公式の最低推奨容量が700Wであり、これがハイエンドCPU(Ryzen 9)との組み合わせを想定していることを思い出しましょう。

システム構成に基づいた実践的な推奨容量

実際のところ、多くのユーザーやPSUメーカーは、組み合わせるCPUに応じて、より具体的な推奨容量を提示しています。

  • Intel Core i5 / AMD Ryzen 5 クラス: 多くの情報源やユーザー報告によると、品質の良い650WのPSUで十分とされています。
  • Intel Core i7 / AMD Ryzen 7 クラス: 650Wでも動作する可能性はありますが、特にオーバークロック対応のCPU(KシリーズやXシリーズ)を使用する場合や、将来的なアップグレードを見越す場合は、750Wを選択するとより安心です。
  • Intel Core i9 / AMD Ryzen 9 / HEDT クラス: このクラスのCPUと組み合わせる場合は、AMDの推奨に近い750Wを最低ラインとし、十分なマージンを確保するために850W以上を推奨します。

このように、AMDの公式推奨値は安全策として有効ですが、一般的なゲーミングPC構成においては、コミュニティやPSUメーカーの推奨値(多くの場合650W~750W)がより現実的な目安となることが多いです。

これは、AMDの推奨値が電力消費の大きいハイエンドCPUを基準にしているのに対し、多くのユーザーがミドルレンジCPUを使用している実態や、PSUメーカーの計算、実際のユーザーによる安定動作報告を反映しているためです。

GPUのピーク電力(約310W)とミドルレンジCPUのピーク電力(約100-150W)、その他のシステムコンポーネント(約50W)を合計しても、多くの場合550W程度に収まり、650WのPSUでも100W以上のヘッドルームが確保できる計算になります。したがって、自身のシステム構成、特にCPUの種類に合わせてPSU容量を選択することが、コストと安定性のバランスを取る上で重要です。

ワット数だけじゃない:PSUの品質の重要性

PSU選びでは、容量(ワット数)だけでなく、その品質も極めて重要です。特にGPUのパワースパイクに対応するためには、信頼できるメーカー製の高品質なPSUが不可欠です。

  • 80 PLUS認証は、電力変換効率を示す指標であり(Bronze認証が最低限、Gold認証以上が推奨されることが多い)、効率が高いほど発熱が少なく電気代も節約できますが、必ずしもPSU自体の部品の品質や、電圧安定性、パワースパイクへの応答性を示すものではありません。信頼できるレビューなどを参考に、定評のあるモデルを選ぶことが重要です。
  • RX 7800 XTが必要とする2つの独立した8ピンPCIe補助電源コネクタを備えていることを確認してください。高負荷時の安定性のため、1本のケーブルから分岐しているコネクタ(デイジーチェーン)ではなく、個別のケーブルを使用することが推奨されます。

ヘッドルーム(余裕)の考慮

PSU容量に余裕を持たせることには、いくつかのメリットがあります。PSUが最大容量に近い状態で動作するよりも、余裕がある方が発熱が少なく、ファンの回転数も抑えられ、静音性が向上します。また、多くのPSUは負荷率50%前後で最も変換効率が高くなります。さらに、将来的なパーツのアップグレードに対応しやすくなり、予期せぬパワースパイクに対してもより安定して対応できます。

以下の表は、CPUクラスに応じた推奨PSU容量の目安をまとめたものです。

表3: CPU別 RX 7800 XT 推奨電源容量 (目安)

CPUクラス (CPU Class)推奨最低容量 (目安) (W) (Recommended Minimum Wattage (Approx. W))余裕を持たせた推奨容量 (W) (Recommended Wattage with Headroom (W))
Intel Core i5 / AMD Ryzen 5650W750W
Intel Core i7 / AMD Ryzen 7650W – 750W750W – 850W
Intel Core i9 / AMD Ryzen 9 / HEDT750W850W+

RX 7800 XT おすすめモデル (Amazon Japan 在庫あり)

RX 7800 XT搭載グラフィックカードは、様々なメーカーからカスタムモデルが販売されています。ここでは、調査時点(2025年4月27日)でAmazon Japanにて在庫が確認できたおすすめモデルをいくつかご紹介します。

注意: 在庫状況と価格は常に変動します。ご購入前に必ずAmazonの商品ページで最新情報をご確認ください。

1. 玄人志向 Radeon RX 7800 XT 搭載 グラフィックボード 16GB

  • 特徴: 国内ブランド「玄人志向」による、比較的シンプルなデュアルファン(2ファン)構成のモデルです。コストパフォーマンスを重視する場合や、標準的な性能を求める場合に適しています。
  • 価格目安: 約 ¥74,973 (調査時点)
  • 在庫状況: 在庫あり(調査時点)

2. SAPPHIRE PULSE Radeon RX 7800 XT GAMING 16GB [11330-02-20G VD8651]

  • 特徴: AMD Radeonグラフィックカードの主要パートナーであるSAPPHIRE社の人気シリーズ「PULSE」モデルです。こちらも2ファン構成で、比較的コンパクトな設計(長さ約280mm)のため、小型PCケースへの搭載も検討しやすいでしょう。信頼性と性能のバランスが取れたモデルとして定評があります。
  • 価格目安: 約 ¥88,393 (調査時点)
  • 在庫状況: 在庫あり(調査時点、明日中お届け表示)

3. GIGABYTE Radeon RX 7800 XT Gaming OC 16G

  • 特徴: GIGABYTE独自の冷却システム「WINDFORCE」を搭載した3ファン構成のオーバークロック(OC)モデルです。より高い冷却性能と、標準モデルよりも若干高いパフォーマンスが期待できます。
  • 価格目安: 約 ¥89,980 (調査時点)
  • 在庫状況: 在庫あり(調査時点)

4. SAPPHIRE NITRO+ Radeon RX 7800 XT GAMING OC 16GB

  • 特徴: SAPPHIRE社のハイエンドシリーズ「NITRO+」のモデルです。強力な3ファン冷却機構と高品質な部品を採用し、高いオーバークロック性能と静音性を両立させています。より高いパフォーマンスと静音性を求めるユーザーにおすすめです。
  • 価格目安: 約 ¥89,800 (調査時点、ツクモ価格)。Amazonでの価格は変動する可能性があります。
  • 在庫状況: 在庫あり(調査時点、ツクモ)。Amazonでの在庫も確認されています。

これらのモデル以外にも、ASRock、PowerColor、YESTON など、様々なメーカーからRX 7800 XT搭載カードが販売されています。デザイン、冷却性能、保証期間、価格などを比較検討し、ご自身のニーズに合ったモデルを選びましょう。

まとめ:RX 7800 XTの消費電力、どう考える?

最後に、RX 7800 XTの消費電力と選択に関する重要なポイントをまとめます。

主要な調査結果の要約

  • 公式のTBPは263Wで、実際の平均的なゲームプレイ時の消費電力(約260W)とよく一致しています。
  • 前世代のRX 6800 XT(TBP 300W)と比較して、消費電力は大幅に改善されました。
  • しかし、直接的な競合製品であるNVIDIA RTX 4070(TGP 200W)と比較すると、同等のラスタライゼーション性能を発揮しながらも、消費電力はかなり高くなっています。
  • 消費電力は、アイドル時(約12W)、動画再生時(約18W)、ゲーム時(約260W)、ストレステスト時(約283W)と、負荷に応じて大きく変動します。
  • 瞬間的な**パワースパイク(約309W)**に対応するため、品質の高いPSUが不可欠です。
  • 標準状態での電力効率はまずまずですが、RTX 4070には及びません。
  • **アンダーボルト(低電圧化)**を行うことで、性能の低下を最小限に抑えつつ、電力効率を大幅に改善できる可能性があります。
  • Amazon Japanでは、玄人志向、SAPPHIRE、GIGABYTEなどのメーカーから、現在購入可能なRX 7800 XT搭載モデルが複数存在します(在庫状況・価格は要確認)。

PSU選びに関する最終アドバイス

PSUを選ぶ際は、GPUだけでなく、CPUを含めたシステム全体の消費電力を考慮し、適切な容量を持つ品質の高い製品を選びましょう。RX 7800 XTの場合、組み合わせるCPUにもよりますが、一般的には650Wから750W以上が目安となります。GPUメーカーの最低推奨値だけでなく、自身の構成に合った選択をすることが重要です。

最終的な視点

RX 7800 XTの消費電力は、その強力な1440pゲーミング性能、16GBの大容量VRAM、そして多くの場合RTX 4070よりも安価な価格設定と並んで考慮すべき重要な特性です。市場で最も電力効率の良いカードではありませんが、その消費電力は十分に管理可能であり、前世代からの改善も見られます。

さらに、ユーザーによるチューニングで効率を大きく向上させる余地も残されています。最終的な選択は、性能、機能、価格、そして電力効率やランニングコストに対する個々のユーザーの優先順位によって決まるでしょう。

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